介護事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士と
その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。


総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

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