医療機関の電子処方箋、導入目標見直しへ 厚労省・会合

おおむね全ての医療機関や薬局の電子処方箋の導入目標が見直される。厚生労働省は22日、
医療分野のデジタル化実現に向けた「医療DX令和ビジョン2030」に関する会合で、医療機関で
の電子処方箋の導入目標を見直す方針を示した。25年3月末までの導入を政府は目指すが、現
状では例えば病院での導入率が 3%台と低水準にとどまっている。このため当初の目標達成が
困難と判断。新たな目標を検討し、夏ごろをめどに示すこととした。
厚労省によると、医療機関のうち病院での電子処方箋の導入率は、1月12日時点で 3.9%に
とどまっている。ほかは医科診療所が9.9%、歯科診療所が1.7%と、いずれも1割に満たない。
一方、薬局は63.2%と普及が進んでおり、25年夏ごろにはおおむね全ての薬局での導入が見
込まれている。
そのため厚労省は、医療機関での導入目標を見直し、▽補助金の継続▽システムベンダーへ
の早期導入・開発の要請▽電子処方箋の機能を必要最小限にとどめシステム改修の負担軽減
などに取り組む。そのうえで、25年夏ごろに新たな導入目標を設定することとした。

●電子処方箋管理サービスのシステム改修に着手
厚労省はまた、電子処方箋を受け付ける薬局側のシステムで医師の処方と異なる医薬品名が
誤表示される事例が報告された問題への対応も示した。
24 年12 月20-26日に医療機関からの電子処方箋の発行を停止し、一斉点検を実施したこと
を踏まえ、厚労省は医療機関と薬局のシステムをつなぐ電子処方箋管理サービスを改修し、防
止策に着手していると説明。25 年夏ごろまでに改修を終えるとし、当面は一斉点検の報告が完
了し、適切に電子処方箋を発行できる医療機関を除き、紙での処方箋の発行を依頼するなどの
対応を行うとした。さらに医薬品名の誤表示の原因となったダミーコードによる運用などを防ぐため、医薬品コ
ードの仕組みの見直しも検討し、夏ごろをめどに今後の方向性を示す。
会議に参加した福岡資麿厚労相は、「医療 DX 実現の道のりは平たんではない」としつつも、
質の高い医療を効率的かつ効果的に提供できるよう積極的な取り組みを進める考えを示した。

(MMPG メディカルウェーブ記事より)

 

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