全国の医療機関300カ所で派遣医師引き揚げ 厚労省
医師の時間外労働の上限に対する罰則付きの規制が施行された2024年4月以降、大学病院な
どから派遣されている医師を引き揚げられた医療機関が12月6日現在、全国に300カ所あるこ
とが厚生労働省の調べで分かった。これは、各都道府県が回答を取りまとめた医療機関(5,653
カ所)の5.3%に当たる。また、医師の働き方改革の影響で診療体制を縮小した医療機関は 266
カ所(5,653カ所の4.7%)あり、うち38カ所(同0.7%)はそれによって「地域医療に影響が
でる」と答えた。医師を引き揚げられたため診療体制を縮小した医療機関は82カ所(同1.5%)、
それによって「地域医療に影響がでる」と答えた医療機関は15カ所(同0.3%)だった。
調査は、「医師の働き方改革の施行後状況調査」。
医師の時間外労働の上限規制が始まる前に行った準備状況調査(5 回目)で診療体制への縮
小が見込まれると答えた医療機関のほか、三次救急や二次救急医療機関(救急告示医療機関)、
夜間休日急病診療所などを対象に(大学病院の本院は除外)、24年6月24日-7月25日に実
施。各都道府県が取りまとめた医療機関の回答を厚労省が集計し、都道府県から11-12月に詳
細を聞き取った。
調査の結果を踏まえ、厚労省では「地域医療への影響がでる」と答えた医療機関を中心に状
況把握を続け、必要な支援を行うとしている。(1月24日メディカルウェーブ記事より)