電カル共有サービス、25年1月にモデル事業開始 厚労省

厚生労働省は10日に開催した「医療等情報利活用ワーキンググループ」の会合で、標準規格
に対応した電子カルテ情報共有サービスのモデル事業を2025年1月から順次開始すると発表し
た。全国 9 地域の中核病院を中心に、連携する周辺の病院・診療所が参画し、同サービスの有
用性や機能を検証すると共に課題を収集する。
モデル事業の中核病院としては、▽日本海総合病院(山形県酒田市)▽水戸済生会総合病院
(水戸市)▽千葉大医学部附属病院(千葉市)▽浜松医科大医学部附属病院(静岡県浜松市)


▽藤田医科大病院(愛知県豊明市)▽三重大医学部附属病院(津市)▽南奈良総合医療センタ
ー(奈良県大淀町)-の参画が予定されている。そのほか、北海道では函館地区で、石川県で
は加賀市のデジタル田園健康特区でモデル事業の調整が進められている。


医療機関の間で電子カルテ情報を共有・交換可能にする電子カルテ情報共有サービスを巡っ
ては、データ形式をXMLとPDFに加工して管理することとされていた。
厚労省はこの日の会合で、活用の可能性をより広げるために加工前の電子カルテデータであ
る「HL7 FHIR」(医療情報を連携するための国際的な標準規格)の形式でも管理可能にすること
を提案した。


また、電子カルテ情報を格納する際にエラーチェックを行う「バリデーション」の運用案も
提示。電子カルテ情報共有サービスの運用側でバリデーションを行うことから、医療機関側で
はベンダ内で行うオフラインテストと接続検証環境下のテストを必須とし、本番運用時のバリ
デーションは任意とした。
この2つの提案について、構成員から異論はなかった。


山口育子構成員(認定NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長)からは、電子カル
テ情報共有サービスの構想では患者もマイナポータルを通して療養計画や医師のアドバイスな
どが記された患者サマリーを閲覧できるとされていることから、「患者への効果についてもモデ
ル事業で検証予定か」という質問が出た。
これに対し厚労省は、「患者に対する効果についても検証予定であり、デジタル庁と調整を進
めている」と回答した。

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