【介護報酬改定】「ヘルパー不足は大きな社会問題」 訪問介護の事業者ら、基本報酬の大幅増を強く要請
来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている国の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)は27日、介護現場の意見・要望を聴取する「関係団体ヒアリング」を実施した。
訪問介護の担い手でつくる団体が相次いでホームヘルパー不足の深刻さを訴えた。
日本ホームヘルパー協会は、「待ったなしの状況。事業所の経営に直接かつ甚大な影響を及ぼしており、事業者は倒産や事業所閉鎖などを余儀なくされている」と指摘。「人材不足は利用者の不利益に直結しており、将来的には地域包括ケアシステムの崩壊につながりかねない大きな社会問題だ」と強調した。
全国社会福祉協議会の全国ホームヘルパー協議会も、「事業所が撤退する地域が全国各地で増加すると危惧している。なくてはならない社会資源である訪問介護の存在が危機的状況にある、ということにご留意頂きたい」と呼びかけた。
両団体が強く求めたのは、やはり訪問介護の基本報酬の大幅な引き上げだ。
日本ホームヘルパー協会は、「採用時の研修に資金がかかるほか、物価上昇に伴う事務員らの給与増、ガソリン代の高騰などもあり、ますます経営が厳しくなっている」と説明。「土日・祝日・年末年始も活動を余儀なくされており、事業所はホームヘルパーに手当をつけて仕事をお願いしている。基本報酬の引き上げを」と要請した。
全国ホームヘルパー協議会も、「基本報酬の抜本的な引き上げを」と注文した。あわせて、既存の「同一建物等減算」を取り上げ、「まだまだ公平性に欠ける。地域に住むひとりひとりの利用者宅を訪問している事業所と、同一建物内の利用者宅を短時間で多数訪問している事業所とでは、サービスに要する時間が全く異なる」と問題を提起。減算の更なる拡大などを提言し、それで得られる財源を主に地域の利用者宅を個別に訪問している事業所へ振り向けるべきと主張した。(介護ニュースより)
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