「凡事徹底」を考える 2
さて、今日は、今年の6月に
ブログに書いた「凡事徹底」
について、鍵山氏のインタビューの
記載がありましたので、皆さんに
ご紹介いたします。
いつも人間力向上研修で、お伝えしている
「心を磨く」ヒントになるような
気がしましたので皆さんにも
お伝えいたします。
イエローハットの創業者、
“鍵山秀三郎”
氏の、掃除に見る
“人生哲学”
“人材哲学”
とも言える内容を、
引き続きご確認下さい。
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鍵山さんが現地に行ってトイレ掃除の仕方を
教えるのですか。
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はい。
私は素手、素足でやりますが、みなさんに
強制はしません。
気持ちが悪いと思う人は手袋をしてもらって、
はき物も履いてもらいます。
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なぜ素手、素足で?
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ものを持ったとき、触ったときの感触が、
素手と手袋とでは全然違うからです。
素手が最も感じやすく、
髪の毛一本まで感じることができる。
敏感な指先で感じるからこそ、
問題に対処できて早く解決できるのです。
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日本や世界各国の知らない人たちが使ったトイレを、
素手、素足で掃除するのは、
普通は抵抗があると思います。
なぜ鍵山さんは平気なのですか。
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スポーツでも一度越えたハードルは、
次に飛ぶときは簡単ですよね。
最初のハードルを越えられるかどうかです。
越えられない人は飛べない。
飛んでみもしないで、
飛べないだろうなあと眺めている。
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できれば眺めていたいです(笑)。
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とてつもなく汚いトイレがありますよ。
中国のトイレはすさまじい。
来年、また行きますけどね。
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中国のトイレ掃除に行ったきっかけは?
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広島の
「掃除に学ぶ会」
の方がYMCAの沖縄の校長と親しくて、
そのYMCAの校長が中国の科技大学の先生と
懇意だったのです。
平成9(1997)年に科技大学のトイレと上海の
公園を掃除しに、
日本から40人ぐらいで行きました。
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そういうときの旅費はどうされるのですか。
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飛行機代も宿泊代も自腹ですよ。
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自腹でわざわざすさまじいトイレの掃除に行く?
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基本的に中国人は自己中心的で、
人のことはどうでもいい、
自分さえよければいい、
という考え方の人が多い。
だから水洗トイレでも、用を足した人が、
なんで次の人のために水を流さなきゃ
いけないんだって出て行ってしまう。
次に入った人は、なんで俺が、前のヤツが
したものを始末しなきゃいけないんだって、
たまったものの上に用を足して出て行って
しまう。
だから半端な汚れ方ではありません。
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ハードルが高い。
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しかし、一緒に行った
「掃除に学ぶ会」
の人たちや科技大学の学生たちが群れになって
後ろから私を見ています。
もうやるしかありません。
山盛りの糞尿を素手で便器に押し込み、
流しました。
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うーん。
そういった活動が中国の方によい影響を与えて
いるのでしょうか。
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毎年、チームで行っていますが、
大学構内のゴミが減って、
だんだんきれいになっていますよ。
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ブラジルはどのような感じですか。
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初めて海外で掃除したのがブラジルで、
発端は阪神淡路大震災でした。
1995年1月に起きて、
私は3月に避難所の学校に掃除に行ったのですが、
そこにブラジルからボランティアの方が3人
来ていたのです。
私たちがトイレ掃除をしていたら、
「どういう団体ですか」
と聞かれて、説明すると
「ぜひブラジルにも来てください」
と。
翌年2月にブラジルのイベラ・プエーラ公園の
トイレ掃除に行きました。
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汚いのかきれいなのか、想像もつきません。
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ブラジルは救済事業として、
仕事に就けない人たちにわずかな賃金でトイレ
掃除をさせていますから、
そんなにひどくはありません。
ですが、そういう人たちのやる掃除は知れて
いますよ。
私たちがトイレの外せるものは全部外して、
隅々まで徹底的にきれいにすると、
見ている人はビックリしています。
ブラジルも10年以上、行きました。
5年目には現地の人が5000人も集まる会に
発展し、
みんなで道路の掃除をしました。
テレビの取材も来ましたよ。
ブラジルは長年、奴隷制度がしかれていて、
掃除はもともと奴隷がやる仕事なのです。
特にトイレ掃除は最下層の人がやるという
位置づけで、
一般の人はしない。
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それなのに、日本の会社の社長が地球の裏側から
やってきてトイレ掃除をしている。
それはニュースになりますね。
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大勢で掃除している様子を見れば、
人は何だろうって思います。
私たちが掃除している横で車が止まり、
「何をやっているんですか。来年もやるんですか。
私も参加していいですか」
とブラジルの人に随分聞かれました。
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続けているうちに、周りの人が
「嘲笑」
から
「同調」
へ変わるのは日本と同じなのですね。
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そうです。
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ニューヨークはどのような感じですか。
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第1回 「ニューヨーク掃除に学ぶ会」は
平成15(2003)年に開催されて、
ブルックリンにあるジャッキー・ロビンソン・
ユースセンターというスポーツ施設に行きました。
施設の方にまず
「絶対に素手・素足でやらないでください。
ゴミ箱のフタは絶対に開けないように。
中に何が入っているかわからない」
と注意されました。
注射針やエイズ患者が使ったものなど何があるか
保証できないから、
触れないでというわけです。
手袋をしてトイレ掃除しながら、
ニューヨークの一端を見た思いがしました。
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台湾は?
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第1回「台湾掃除に学ぶ会」も平成15(2003)年に
開催され、
台北市の小中学校に毎年、
もう10年以上、行っています。
昨年は2回行って、
今年は4月に行ってきました。
台湾でイエローハットの店舗を展開したのが
始まりです。
やはり毎回、メディアが来てニュースが
報じられます。
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鍵山さんの掃除活動のゴールは何ですか。
世界中を美しくして、
人々の心がきれいになることでしょうか。
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世の中は争いごとに満ちています。
戦争だってもとは人の不満から始まり、
それが増幅していって起こるのですから、
ものすごいエネルギーです。
もし、戦争に向けるエネルギーを掃除のほうに
向けたらすばらしいでしょう? 
自分のエネルギーの向け方が重要なのです。
争いや武器に向けるのか、
掃除に向けるのか。
掃除に向ければ、地球がきれいになり、
心も平和になります。
昨今、自分の利益になることしかしないと
いった風潮が見られます。
しかし、そういう人間の人生がよくなった
ためしはありません。
もっと社会や国家に目を向けて、
少しでも自分の時間や手足を使わないと、
世の中はよくならない。
私から見ると、
今の日本人は寿命を延ばし、
長生きすることには一生懸命ですが、
そんなことは自分が決めることじゃないですよ。
いくら90歳まで生きようとしたって、
若くして亡くなる人もいます。
そんな自分で決められないことを一生懸命
やるより、
自分が決められることに一生懸命取り組めば
いいのにと思います。
どう生きるかは自分で決められます。
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鍵山さんは現在、81歳にして世界中を飛び回って
トイレ掃除をされています。
結果的に、健康にもいいのかもしれませんね。
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いいでしょうね。
朝、公園の掃除をしているときに、
マラソンをしている人が通っていきます。
はぁ、はぁ、と息を切らして熱心ですが、
それは自分のことだけに熱心とも言えます。
熱心な人であっても、立派な人とは言えない。
もしその人が、マラソンもするけど落ちている
ゴミも拾ったら、
立派な人になるのです。
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いかがでしたでしょうか?
ちょっと信じられない話かも
しれませんが、これは本当の
話です。
皆様のご参考になれば
幸いです。
⇒福祉人材の人間力向上研修
(参考 原田匡氏 発信情報)