Q,社員が、突然、無断欠勤となり2週間が経ちます。本人とは携帯、メール等でも一切連絡が取れず困っています。どのような対処をすべきでしょうか?

A,一般的に無断欠勤をしたという事実だけでは、懲戒処分の対象にはならず、無断欠勤をした日数や職場秩序を乱したなどの実害が発生している(または発生する恐れがある)場合に、初めて懲戒事由になるとされています。職員と連絡が取れなくなった際には無断欠勤として扱い、音信不通となった日数により超過処分を課し、「14日以上」など一定期間継続したときに懲戒解雇事由として規定します。

 この「14日以上」の法的根拠に、解雇予告除外認定の基準の一つに「原則として2週間以上正当な事由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」が有ります(昭和31年基発第111号)。

但し、音信不通になって2週間経過したからと言って解雇が正当と認められるわけではなく、その間、電話、メール等による「出勤の督促を行ったにもかかわらず」というプロセスを踏む(記録を残す)必要があります。それでもなお連絡が取れず30日が経過したときに,就業規則の条項に「職員が行方不明になり、30日以上連絡が取れない時」の規程に基づき、自然退職扱いとなるのが一般的なプロセスと思われます。

 尚、懲戒処分には

 ①けん責 ②減給 ③出勤停止 ④諭旨解雇 ⑤懲戒解雇があります。

これらの規程については労基法上の制限はなく、公序良俗違反でない限り法人が自由に決められます。但し、労働契約法15条において「使用者が労働者を懲戒できる場合において

当該懲戒が、それに関わる従業員の行為の性質及び様態その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を乱用したものとして、当該懲戒は無効とする」とさだめられており、懲戒の合理性がない場合、懲戒権の乱用と判断される場合がありますので注が必要です。

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