介護経営の協働化、第一歩は「仲間づくり」 厚労省が新ガイドライン 「ゆるやかな連携」が拓く安定化の突破口

 

厚生労働省が1月30日に新たに公表した介護経営の「協働化・大規模化ガイドライン」。この中では、法人の合併やM&Aといったハードルの高い手法だけでなく、中小の事業者が独立性を保ちながら経営課題を解決する「協働化」の重要性と、その実践的なノウハウが詳しく紹介されている。

介護ニーズの変化や深刻な人材難、物価の高騰、賃上げ競争の激化、制度の複雑化、生産性の向上…。経営課題が幾重にも重なるなか、個々の事業所・施設が独力でサービスを安定的に維持していくことは、かつてないほど難しくなっている。

今回のガイドラインでは、地域の事業者が協働化を通じてスケールメリットを得るための選択肢が提示されている。ガイドラインが提唱する協働化のファーストステップは、「仲間をつくる」ことだ。

必ずしも最初から緻密な設計図を描く必要はない。


ガイドラインで紹介されている社会福祉法人東北福祉会(仙台市)の事例では、業界団体の会合などを通じて元々つながりのあった法人同士が、協定書や契約書を作成しないまま、必要な各種研修の共同開催を実現したという。お互いの事業所を見学し合い、課題認識を共有するという「日常的な関わり」の延長線上で、各種研修のマンネリ化や講師の固定化の解消、満足度の向上、人材の定着といった成果を生み出した。

その結果、地域内で経営課題を率直に共有・相談できる環境が構築され、赤字から黒字への転換など具体的な経営改善につながっている。今後については、「より実践的な方向性へ移行したい」。事務作業や人材育成の協働化も含め、「人的・時間的・資本的なリソース不足を補っていければ」との前向きな言葉が寄せられている。

個々の事業所の状況に合わせて、まずは身近な仲間づくりから始めてほしいと呼びかけている。


厚労省はガイドラインで協働化の効果について、人材確保・育成の合理化や事務作業の効率化、コストの削減、災害対応の強化などに加えて、「法人の交流を通じた知見やノウハウの共有が、結果として事業所・施設の経営改善にも寄与する」と指摘した。そのうえで、個々の事業所の状況に合わせて、まずは身近な仲間づくりから始めてほしいと呼びかけている。

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