園長向け|保育園の労務リスクを減らす「優先順位マップ」

はじめに|すべてを一度にやろうとしなくて大丈夫です

労務対策というと、

  • 就業規則

  • 人事評価

  • 勤怠管理

  • ハラスメント

  • 処遇改善加算

など、やることが多すぎて「結局何も進まない」園が少なくありません。

そこで重要なのが、
「労務リスクの大きさ × 今すぐ性」を基準にした優先順位付けです。


労務リスク優先順位マップ【全体像】

【最優先】 労基署・金銭リスクが高い  ① 労働時間・残業管理  ② 休憩・休日の実態 【次に対応】 退職・不満が増える  ③ 就業規則の未整備・形骸化  ④ ハラスメント・人間関係 【中長期】 定着率・経営安定  ⑤ 人事評価制度  ⑥ 給与・処遇改善加算の説明 【余力が出たら】  ⑦ キャリアパス・育成制度

【最優先①】労働時間・残業管理(最も危険)

なぜ最優先か?

  • 未払い残業代請求に直結

  • 労基署是正勧告の対象

  • 退職後に一気に噴き出す

園長が今すぐ確認すべきポイント

  • 開園前・閉園後の準備は労働時間か

  • 行事準備・書類作成はどこで行っているか

  • 「自主的」という言葉で処理していないか

👉 ここが曖昧な園は、他が整っていても一発アウトです


【最優先②】休憩が本当に取れているか

よくある誤解

  • 「休憩時間はシフトに入れているからOK」
    → ❌ 実態が取れていなければ違法

チェックポイント

  • 休憩中に子ども対応をしていないか

  • 電話・呼び出しが常態化していないか

  • 一斉休憩になっていないか


【次に対応③】就業規則が現場とズレている問題

危険な状態

  • 何年も見直していない

  • 法人用のひな型のまま

  • 園長自身が内容を把握していない

起こるトラブル

  • 退職時の揉め事

  • 問題職員への対応ができない

  • 園のルールが守られない

👉 就業規則は**「あるかどうか」ではなく「使えているか」**が重要です。


【次に対応④】ハラスメント・人間関係トラブル

最近増えている相談

  • 主任・ベテラン職員の強い指導

  • 感情的な叱責

  • 「保育のため」という名目の圧力

園長の盲点

  • 「悪気はないから大丈夫」

  • 「保育業界はこういうもの」

👉 **ハラスメントは「受け手基準」**です。


【中長期⑤】人事評価制度(定着率に直結)

後回しにされがちだが重要

  • 評価基準がない

  • 昇給理由が説明できない

  • 園長の感覚評価になっている

効果

  • 定着率アップ

  • 不満の見える化

  • 園長の判断負担が激減


【中長期⑥】給与・処遇改善加算の説明不足

トラブル例

  • 「加算はどこに行ったの?」

  • 職員間で不信感が広がる

  • 退職理由として表面化しないが根深い

👉 支給している=納得している、ではありません


【余力が出たら⑦】キャリアパス・育成制度

これは「攻め」の労務対策です。

  • 若手が将来像を描ける

  • 中堅が辞めにくくなる

  • 採用時のアピールにも使える


【保育園専門社労士のコメント】園長が全部背負う必要はありません

労務トラブルが多い園ほど、園長先生が一人で抱え込んでいます。
しかし、リスクの大半は「仕組み」で減らすことができます。

重要なのは、完璧を目指すことではなく、
「危ないところから順に手を打つ」ことです。


まとめ|労務リスク対策は「順番」が9割

  • 最初にやるべきは 労働時間・休憩

  • 次に 就業規則・ハラスメント

  • その後に 人事評価・処遇説明

この順番を間違えなければ、
労務トラブルは確実に減っていきます。

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