骨太方針2025にみる医療政策の展望
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2025)」が閣議決定されました。来年度の診療報酬改定にも影響を与える重要な方針です。例年どおりの内容が並ぶなか、処遇改善では直接的に次期報酬改定に触れる記載もありました。 
医療等の人材確保に向けて「公定価格の引上げを始めとする処遇改善を進める」と明記されました。具体策までは言及されていませんが、過去の報酬改定等の効果を検証し、年末までに
結論を得る方針です。
次期改定の重点を占う観点から、骨太方針に記載されたキーワードを以下に整理しました。
電子処方箋の利用拡大、PHR(パーソナルヘルスレコード)
情報の利活用、標準型電子カルテの本格運用
医療機関のサイバーセキュリティ対策
OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し
新たな地域医療構想に向けた病床削減
生活習慣病重症化予防とデータヘルスの推進
医療・介護DXやICT、介護テクノロジー、ロ
ボット・デジタルの実装やデータの二次利用
特定行為研修を修了した看護師の活用
タスクシフト/シェアなど生産性向上・省力化
地域医療連携推進法人の活用
経営情報の更なる見える化
不適切な人材紹介問題への実効性ある対策
かかりつけ医機能の発揮される制度整備
医療の機能分化・連携や医療・介護連携
適切なオンライン診療の推進
出産費用の自己負担の無償化に向けた対応
リフィル処方箋の普及・定着や多剤重複投薬、
重複検査の適正化
保険外併用療養制度の対象範囲拡大
がん・循環器病・慢性腎臓病・慢性閉塞性肺疾
患・慢性疼痛等の疾患に応じた対策
アレルギー対策、依存症対策、難聴対策
栄養対策、受動喫煙対策
更年期障害や骨粗しょう症等女性の健康支援
睡眠時無呼吸、睡眠障害等、睡眠関連
糖尿病と歯周病の関係等、全身の健康と口腔の
健康に関するエビデンスの活用
オーラルフレイル対策
歯科専門職による疾病の重症化予防
歯科医療機関・医歯薬連携等の多職種連携
次期改定の審議はすでに始まっています。今後の展開にもご注目ください。 






