求人条件は「60歳以上」限定|介護業界で広がるスキマバイトの新潮流
介護大手の創生事業団が、60歳以上の高齢者を対象にしたアルバイト求人を10月から開始する。募集職種は配膳・洗濯・清掃などの介護助手業務で、応募時に履歴書や面接は不要。勤務は1日数時間から可能で、報酬は即日払いに対応する。背景には、人材不足のなかで若年層やフルタイム人材の確保が難しくなり、短時間で働きたい高齢層をターゲットとする動きがある。首都圏を中心に展開される予定で、従来の「週数日・長時間勤務」が主流だった介護パート採用とは一線を画す試みだ。
■ 人事担当者にとっての学び
・高齢者層へのアプローチが新たな労働力確保につながる
→応募条件を「60歳以上」と限定することで、働く意欲はあるが従来の求人条件に合わなかった人材を掘り起こせる。
・応募ハードルを下げる工夫が効果的
→履歴書不要・即日払いなどの仕組みは「とりあえず試してみよう」と思わせる心理的障壁の低減につながる。
・柔軟性が差別化ポイントになる
→シフトや勤務形態を細かく調整できる職場は、他社と比べて選ばれやすくなる。
■ 自分の事業所で検討できること
・「高齢者限定/短時間枠」のアルバイト制度を試験的に導入する
・応募プロセスを簡素化し、スピード感を重視した採用フローを設計する
・即日払い/日払い制度の導入可否を検討し、応募者への魅力を高める
・業務を分解し、高齢者でも負担なく従事できるタスク(清掃/洗濯/配膳等)を切り出して配置する
・健康面に配慮した勤務設計(短時間・軽作業・休憩制度)を取り入れる
このような取り組みは、高齢者の「社会参加意欲」を活かしつつ、介護現場の慢性的な人手不足を補う実効性の高い手段となり得るでしょう。