診療所の4 割が経常赤字に 日医

医療法人の24 年度の経常利益率は前年度から半減。経常収支が赤字となった割合は15 ポイント近く増加

 

日本医師会は17 日に開いた定例記者会見で、診療所を経営する医療法人の4 割が2024 年度
に経常赤字だったとする調査結果を発表した。医療法人の24 年度の経常利益率は前年度から半
減。経常収支が赤字となった割合は15 ポイント近く増加した。


調査は、全国の診療所の経営実態を把握するため、会員の診療所の院長を対象に25 年6 月2
日-7 月14 日に実施。個人立の診療所も含めて1 万3,535 件の回答があった(有効回答率
18.8%)。診療所を経営する医療法人は6,761 法人が回答。24 年度の経常利益率は4.2%と、前
年度の8.2%から半減した。経常収支は50.3%減の771 万円。赤字となった法人の割合は14.6
ポイント増え、39.2%だった。医業収益は前年度比2.3%減少し、医業費用は1.4%の増。金額
ベースでは434 万円の減収、252 万円の費用増となり、全体として大幅な減収減益だった。

減収の要因は「新型コロナ関連の診療報酬上の特例措置やコロナ補助金の廃止による影響が大きい

減収の要因として日医の城守国斗常任理事は会見で、「新型コロナ関連の診療報酬上の特例措
置やコロナ補助金の廃止による影響が大きい」と述べた。医業費用では給与費が1.7%の増。さらに医薬品費・材料費が3.1%増えており、人件費や物
価の高騰による費用負担が重くのしかかった。損益計算書で事業者所得が費用ではなく利益に
含まれる個人立の診療所4,180 カ所では、経常利益率は26.0%(前年度比5.1 ポイント減)だ
った。経常収支は2,196 万円となり、前年度から19.5%減った。

25 年度はさらに厳しい経営状況となることが予想される


経営課題に関する質問では(複数回答)、「物価高騰・人件費上昇」(76.0%)、「患者単価の減
少」(60.6%)といった回答が目立った。「施設設備の老朽化」を挙げたところも41.3%を占め、
「近い将来、廃業」という回答も13.8%あった。今回の調査結果について城守常任理事は、
「直近の診療所の経営状況は大幅に悪化している」とし、この状態が続けば、多くの診療所が
地域から撤退し、地域医療の提供体制が継続できなくなる可能性が高いと強い懸念を示した。
松本吉郎会長は、3 カ月ごとに区分けした決算期が直近に近い医療法人ほど経常利益率の悪
化が見られることから、「25 年度はさらに厳しい経営状況となることが予想される」と強調。

赤字の診療所が5 割近くに上りかねないとし、早急に25 年度補正予算による補助金や期中改定
を行った上で、次期診療報酬改定での大幅な手当てを実施するよう、国に強く求めていく考え
を示した。

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