クリニック職員に代休や振替休日はいつまでに取得させる?

1.まず代休と振替休日の違いを理解する

代休と振替休日を混同して運用しているクリニックは多いものと思います。

代休とは「休日に勤務をさせてた後、その代表として勤務日に休日を与えること」を言います。
例えば、休日である日曜日に急遽出勤し、本来の勤務日である火曜日に事後的に休みを取らせることになります。

一方で振替休日とは、例えば、休日である日曜日をあらかじめ勤務日として、本来の勤務日である火曜日を休日とするように、「事前に、休日と勤務日を振返ること(入れ替える)」を言います。振り返ることにより、休日は通常の勤務日となります。

ここで注意が必要なのは、代休と振替では割増賃金の扱いが違うということです。
代休は、曜日が入れ替わりませんので、休日である日曜日に勤務した時間に対しては1.25倍または1.35倍の割り増しが必要になります。但し、同一週内に代休を取得した場合には、週当たりの労働時間は変わりませんので割増賃金は発生しないこともあります。又代償としての休日(代休)は必ず与えなければならないというものではありません。

振替休日は同一週内で休日と勤務日を入れ替えた場合には、勤務時間に変更はありませんので振替による割増賃金は発生しません。
但し、翌週に振り替えた場合なので、法定労働時間を超えた時は、その超えた時間について割増賃金がつくことに注意してください。それは翌週に休日を取得した場合であっても、労働時間は日単位と週単位の両方で確認しますので、週の法定労働時間を超えた時は割増賃金が発生することになります。
労働基準監督署の調査では、代休や振替休日の割増賃金の未払いについても、是正勧告の対象として指摘されますので、代休や振替の違いをしっかり把握してください。

2.代休と振替休日は出来る限り、休日に勤務した日と接近した日に与える

代休と振替休日の取得期限は、特に法律で決められているわけではありません。振替休日については通達が出ている程度で明確な期日が決められているわけではありません。

院長は職員が長時間勤務にならないように、出来る限り休日に勤務した日と接近した日代休をあたえるまたは振替得られるように運用管理をしてください。また代休については独自に取得期限を設けることもあるので就業規則を確認し、それに沿った運用が必要です。

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