なぜ今、福祉、医療業界でキャリアパス制度が注目されているのか。

その理由は3つあると考えています。

  1. 「人材」確保のための採用・育成・定着に非常に有効なツールとなる
  2. 「働き方改革」の目玉である「同一労働・同一賃金」に対応するにはキャリアパス制度が必須となる

1、「人材」確保のための採用・育成・定着に非常に有効なツールとなる

それまで人事評価制度がなかった事業者様に、人事評価制度を導入して、「どんな効果がありましたか」と聞いたとき、あまり想定してはいないのですが、よく言っていただけることがあります。

「人が採用しやすくなったよ」

人事評価制度の本来の目的ではないのかもしれませんが、人事評価制度がその法人(事業所)にあること自体、採用の大きな武器になることがあるのです。
いまは、完全に法人(事業所)が応募者を選ぶのではなく、応募者が法人(事業所)を選ぶ時代になってきました。
今後の労働人口の減少を考えると、この大きな流れは止まらないのではないでしょうか。
地域、職種や業種で仕事を探す方が多いです。

そんな中、同地域、同業のA社とB社があったとします。
そして、A社には「人事評価制度」があって、B社にはない。

面接を受けにきた応募者に対して、A社は次のように会社の説明をします。
資料を一緒に見ながらです。
「当社には、人事評価制度があります。まずは入社時は、経歴と給与から、この等級でスタートしてもらう予定です。この等級に求められる役割は、このようなことです。そして、上の等級に上がった場合は、このような役割になり、その時の給与はこのようになります。○年後には、この等級ぐらいに上がってもらうことを期待しています。そのためのスキル向上のサポートも、この制度の中でやっていきますので、ぜひ一緒に頑張りませんか。」

一方、B社です。
「うちには、人事評価制度などはないけれど、頑張る社員はしっかり見ていきますよ。実力次第で上も目指せます。自分から頑張る社員は大いに評価していきますので、頑張りましょう!」

さあ、どちらの法人(事業所)が応募者にとって魅力に映る、選ばれる法人(事業所)となるでしょうか。

面接時に会社に聞くこと、確認することも、今は大きく変わってきています。

私も何度か転職をして、就職活動をしていますが、そのときには、聞いてまずいだろうという「タブー」のようなものがありました。
「休みは実際どれくらい」「残業時間は長いのか」「有給休暇の取得率は」「何年ぐらい勤めているのか」等々・・。

これらは、もちろん大事な労働条件や、実際に働くとなると、重要な情報です。
しかし私の世代(昭和30年代ですが)では、このようなことを聞くと、採用してもらえないのということで、知りたくても面接などでは聞かなかったものでした。

採用する側の法人(事業所)も、上記のようなことを聞くと、仕事内容や、自分がどれだけ貢献できるかではなく、条件で判断するのか、と、どちらかというとNGの社員とされていた時代があったかと思います。
いまだに、法人(事業所)側にはこの考えは残っているような気がします。

「そんなことを質問する社員は、どちらにしてもうちにはいらん!」

ぐらい言われる経営者の方もいたりします。
しかし、時代は変わっています。

ハローワークでの求職者に対しての指導や、学校の就職課でも、上記のようなことを必ず確認しましょう、となってきているのです。

求職者も、条件を聞くからといって、有能ではないわけでなく、確認することが大事だ、という価値観の変遷だけであって、それらを確認する中に、頑張ってくれる人材がいるのが今の時代なのです。
そしてその確認事項の中に「その会社は人事評価制度はあるか」というものがあるのです。
選んでもらう会社になるために、「人事評価制度」があることが、大きな武器となるのです。

職員の採用という点では、就職にあたって自分の将来がイメージできるというのは、求職者がここで働きたい、働き続けたいと感じる為の要因として、大きなウェイトをもっています。
また、就職してからは、将来の事というより、当面の事、例えば新入職員からしてみれば、職場にはどのような仕事があるのか、自分はどこまで求められているのか、全くわかりません。
確かに、当面やらなければならない仕事のやり方は次々に教わるけれど、すぐにそれを完全にできるわけでもなく、とりあえずどこまでできればいいのかもわからない、こういう状態では、全くモチベーションが上がらない、働きづらい状況に他なりません。

以上のようなことにならないために「キャリアパス制度」が存在します。この制度をつかうことによって、まず自分に求められる仕事の範囲が示され、その為に必要な能力も示されますので、当面の努力の方向性が定まります。しかもその能力が体系的に身につくよう、仕事を教わり、研修も受けられます。そして評価によって業務が習得したと認められ、自分自身の成長の実感につながります。
 結果として、「ひとつ上のマスにあがった」ということになれば、就職時に描いたイメージがいよいよ現実なものになりますし、この積み重ねは確実に定着に繋がります。 一般社員口コミサイトのVorkersの調査によれば、平成生まれの社員の退職理由トップは、「キャリア成長が望めない」ということでした。このことからも、これからの世代は、自らのキャリアを高めることに大きな関心を持っていることがわかります。つまり、「キャリアパス制度」は、今後益々、職員の採用や人材定着に直結していく重要な制度ということになっていくでしょう。

2、「働き方改革」の目玉である「同一労働・同一賃金」に対応するにはキャリアパス制度が必須となる

ご承知のとおり2021年度から中小企業にも同一労働同一賃金の法律が適用されます。これは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の是正が目的です。このために必要な対応は

  1. 正規雇用労働者・非正規雇用労働者双方の賃金決定基準とルールの明確化
  2. 職務内容と能力等と賃金等の水準の関係性の明確化
  3. 雇用形態にかかわらず公正な評価に基づいて待遇が決定される仕組みと教育機会の均等・均衡を促進することにより、一人ひとりの生産性向上を実現する。

以上が、働き方改革の政府方針であり、そのためには「キャリアパス制度」の導入が必要になることはご理解いただけるものと思います。

もうすこし、具体的にご説明しましょう。

下記の図は、厚労省が作成した「同一労働・同一賃金の点検・検討マニュアル」からの抜粋です。

正職員とパート職員の資格等級制度における対応関係

上記の等級の関係から言えば、パート⑤級の業務内容等は正職員4等級の業務内容に相当し、パート④級の業務内容等は、正職員3等級に相当するというように「等級としての対応関係」で整理することが推奨されています。

そのためには、正職員とパート職員の業務内容を等級ごとに整理したうえで、その対応関係を構築していくことが必要になります。

もちろん、正職員とパート職員が同じ等級関係である場合でも、まったく同じ給与にしなければならないかと言えば、当然そんなことはないわけで、たとえ業務が同様であったとしても、その責任範囲が異なることもありますし、各人の仕事の成果である「評価制度」等の結果により組織への貢献度も異なり、それによっても給与は異なります。

要するに、正規職員であってもパート職員であっても、その賃金決定プロセスを明確にすることが求められるわけです。そのうえで、「あなたの給与は、弊社のルール(キャリアパス制度)では、このような根拠で、この金額になっています」ということが、各社員に説明できるようにしておくことが今回の法改正では求められているのです。

 

3、キャリアパスに関するQ&A

キャリアパスに関し、よくいただくご質問と回答を下記いたします。

Q1 キャリアパスを作成するにはどのくらいの期間がかかりますか?

⇒月1回のミーティングを重ね、概ね1年間の期間を要します。但し、ご希望に応じて短縮も検討させて頂いております。

Q2 費用はどのくらいかかりますか?

⇒月1回、1年間の場合、総額で100万円~120万円(税別)となります。顧問契約を合わせてご契約いただいた場合には、顧問割引を適用させて頂き、大幅割引(約40%)が適用になります。

Q3 現状キャリアパス制度があるのですが、運用面等でうまく活用できないなどの場合に部分的に支援いただく事は可能でしょうか?

⇒もちろん可能です。その場合には、現状の問題点をお聞かせいただき、現行部分は活かしながら、部分的に改良していくような作業になると思います。その場合の費用は個別の見積りをさせて頂きます。

 

Q4 今までのキャリアパス支援実績を教えてください。

⇒介護事業所では、36事業所(施設系事業所16事業所、在宅系事業所15事業所、障害福祉事業所5事業所で、 保育園関係では12事業所(認可保育園)、医療関係は3事業所の実績がございます(2019年12月現在)。

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