なぜ今、福祉、医療業界でキャリアパス制度が注目されているのか。

その理由は3つあると考えています。

  1. 「人財」確保のための採用・育成・定着に非常に有効なツールとなる
  2. 「働き方改革」の目玉である「同一労働・同一賃金」に対応するにはキャリアパス制度が必須となる
  3. 処遇改善加算への対応と助成金による国による支援

1、「人財」確保のための採用・育成・定着に非常に有効なツールとなる

職員の採用という点では、就職にあたって自分の将来がイメージできるというのは、求職者がここで働きたい、働き続けたいと感じる為の要因として、大きなウェイトをもっています。また、就職してからは、将来の事というより、当面の事、例えば新入職員からしてみれば、職場にはどのような仕事があるのか、自分はどこまで求められているのか、全くわかりません。確かに、当面やらなければならない仕事のやり方は次々に教わるけれど、すぐにそれを完全にできるわけでもなく、とりあえずどこまでできればいいのかもわからない、こういう状態では、全くモチベーションが上がらない、働きづらい状況に他なりません。
以上のようなことにならないために「キャリアパス制度」が存在します。この制度をつかうことによって、まず自分に求められる仕事の範囲が示され、その為に必要な能力も示されますので、当面の努力の方向性が定まります。しかもその能力が体系的に身につくよう、仕事を教わり、研修も受けられます。そして評価によって業務が習得したと認められ、自分自身の成長の実感につながります。
 結果として、「ひとつ上のマスにあがった」ということになれば、就職時に描いたイメージがいよいよ現実なものになりますし、この積み重ねは確実に定着に繋がります。 一般社員口コミサイトのVorkersの調査によれば、平成生まれの社員の退職理由トップは、「キャリア成長が望めない」ということでした。このことからも、これからの世代は、自らのキャリアを高めることに大きな関心を持っていることがわかります。つまり、「キャリアパス制度」は、今後益々、職員の採用や人材定着に直結していく重要な制度ということになっていくでしょう。

2、「働き方改革」の目玉である「同一労働・同一賃金」に対応するにはキャリアパス制度が必須となる

ご承知のとおり2021年度から中小企業にも同一労働同一賃金の法律が適用されます。これは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の是正が目的です。このために必要な対応は

  1. 正規雇用労働者・非正規雇用労働者双方の賃金決定基準とルールの明確化
  2. 職務内容と能力等と賃金等の水準の関係性の明確化
  3. 雇用形態にかかわらず公正な評価に基づいて待遇が決定される仕組みと教育機会の均等・均衡を促進することにより、一人ひとりの生産性向上を実現する。

以上が、働き方改革の政府方針であり、そのためには「キャリアパス制度」の導入が必要になることはご理解いただけるものと思います。

もうすこし、具体的にご説明しましょう。

下記の図は、厚労省が作成した「同一労働・同一賃金の点検・検討マニュアル」からの抜粋です。

正職員とパート職員の資格等級制度における対応関係

上記の等級の関係から言えば、パート⑤級の業務内容等は正職員4等級の業務内容に相当し、パート④級の業務内容等は、正職員3等級に相当するというように「等級としての対応関係」で整理することが推奨されています。

そのためには、正職員とパート職員の業務内容を等級ごとに整理したうえで、その対応関係を構築していくことが必要になります。

もちろん、正職員とパート職員が同じ等級関係である場合でも、まったく同じ給与にしなければならないかと言えば、当然そんなことはないわけで、たとえ業務が同様であったとしても、その責任範囲が異なることもありますし、各人の仕事の成果である「評価制度」等の結果により組織への貢献度も異なり、それによっても給与は異なります。

要するに、正規職員であってもパート職員であっても、その賃金決定プロセスを明確にすることが求められるわけです。そのうえで、「あなたの給与は、弊社のルール(キャリアパス制度)では、このような根拠で、この金額になっています」ということが、各社員に説明できるようにしておくことが今回の法改正では求められているのです。

3、処遇改善加算への対応と助成金による国による支援

福祉における介護事業と保育事業では、いわゆる「処遇改善加算」が各制度から支給されており、その加算の取得するために「キャリアパス制度」を導入し、運用していくことが求められていることはご承知のとおりです。
それでは、なぜ、制度が変わるごとに何度も繰り返し、処遇改善加算の取得要件に「キャリアパス制度」を導入することが推奨されているのでしょうか。そこに2つの目的があるものと考えています。1つ目は、人事のルールを見える化し、仕組みを共有することで、将来にわたり安心して働ける職場をつくること、そして2つ目は、専門職として資質や能力を高める等、人材育成が出来る組織を作り上げることにあるものと思います。
少なくとも、すでに処遇改善加算を取得している法人においては、その趣旨を再度確認頂き、その目的あった制度内容と運用になっているかを今一度、検証を頂きたいと思います。

また、国(厚労省)は、キャリアパスを構築・運用し、結果を出した法人には、多額の助成金(最大200万円)を支給する仕組みを作っています。

  • 「職場定着支援助成金 介護労働者雇用管理制度助成コース」
  • 「職場定着支援助成金 保育労働者雇用管理制度助成コース」

また、医療関係にも、助成額は減るものの同様の助成金が予定されています。
このような、国からの支援(バックアップ)がある間に、是非、見直してみることをお勧めいたします。

次に介護業界、保育業界、医療業界のそれぞれ分野ごとに分けて詳細を解説していますので、ご興味ある方は、下記のページを確認してみてください。

4、キャリアパスに関するQ&A

キャリアパスに関し、よくいただくご質問と回答を下記いたします。

Q1 キャリアパスを作成するにはどのくらいの期間がかかりますか?

⇒月1回のミーティングを重ね、概ね1年間の期間を要します。但し、ご希望に応じて短縮も検討させて頂いております。

Q2 費用はどのくらいかかりますか?

⇒月1回、1年間の場合、総額で100万円~120万円(税別)となります。顧問契約を合わせてご契約いただいた場合には、顧問割引を適用させて頂き、大幅割引(約40%)が適用になります。さらに助成金(50万円)を併用すれば、実質的な費用を15万円~25万円までに抑えて、作成することも可能となります。

Q3 現状キャリアパス制度があるのですが、運用面等でうまく活用できないなどの場合に部分的に支援いただく事は可能でしょうか?

⇒もちろん可能です。その場合には、現状の問題点をお聞かせいただき、現行部分は活かしながら、部分的に改良していくような作業になると思います。その場合の費用は個別の見積りをさせて頂きます。

Q4 助成金について教えてください。

⇒「介護・保育労働者雇用管理制度助成コース」が適用されます。この助成金は、キャリアパス制度を整備し運用(約6か月程度)することで、50万円が支給されます。さらに離職率目標を達成することによりトータルで142万が支給され、総額192万円の助成金の受給が可能になります。仮に離職率の目標に未達の場合でも50万円は支給されますので、弊社がご支援させて頂いた事業所のほとんどが、この助成金を活用されています。尚、助成金には詳細な受給要件が規定されていますので、ご希望される場合には事前にお問い合わせください。

Q5 今までのキャリアパス支援実績を教えてください。

⇒介護事業所では、36事業所(施設系事業所16事業所、在宅系事業所15事業所、障害福祉事業所5事業所で、 保育園関係では12事業所(認可保育園)、医療関係は3事業所の実績がございます(2019年12月現在)。

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