全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議のポイント

2016年3月7日、全国の自治体の担当者が一堂に集い、

厚労省より次年度の方針が伝達される

「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議

(通称担当課長会議)」が開催されました。

総務課・介護保険計画課・振興課等、様々な課から

様々な情報が発信された本会議、マスコミ報道では

「事前予告なく実地指導が可能に」等の情報も

上げられていますが、我々が注目したのは、

社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室が

発信した「人材確保」に関する新たな情報。

「介護離職ゼロ」に向けた取組として、様々な

具体策が次年度以降展開されるようです。

今回のブログでは、担当課長会議で

示された人材確保策について確認すると共に、

読者の皆様に具体的な活用イメージを持ってい

ただきたく、情報をお伝えしてまいります。

3月7日の会議において、人材確保に関して

提示された代表的なポイントは下記の通りです(抜粋)。

【テーマ1】人材確保策の推進
1)再就職準備金の準備
2)修学貸付金の充実
3)中高年齢者の業界受入促進
【テーマ2】離職防止・定着促進
4)雇用管理改善に取り組む事業者のコンテスト・表彰の実施
5)介護人材の育成・定着に取り組む介護事業者の認証・評価制度
6)介護施設・事業所内保育施設の整備・開設・運営の一体的な支援
7)子育て支援のための代替職員のマッチング
8)介護職員に対する育児支援(ベビーシッター派遣等)
9)働きながら介護福祉士取得を目指す介護人材への実務者研修受講支援
10)職場定着支援助成金(介護労働者雇用管理制度助成(最大200万)


●「過去働いていた職場を辞めた理由(介護福祉士アンケート)」において、

「結婚・出産・育児」がトップの理由を占めた(31.7%)こと

を背景に、それらをサポートする施策が複数出てきています。

特に「離職防止・定着促進」の中身について、下記の通り

概要を記載しておきますので、ご確認下さい。

●6)介護施設・事業所内保育施設の整備・開設・運営の一体的な支援
・施設整備分については、
-整備に要する経費として1、130千円/施設を支援(案)
 -開設に関する経費として3,100千円/施設を支援(遊具、玩具等の初度経費)(案)
・人材確保分としては、
 -運営に要する経費を都道府県判断のもと支援

●7)子育て支援のための代替職員のマッチング
・子育てをしながら働き続けるためには育児休業、育児のための短時間勤務制度等を活用する必要があるが、その際、当該職員のマンパワーの低下をカバーする、あるいは、夜勤をしない、朝夕の送り迎えのためのフレックスタイム等の活用に伴うシフトの穴埋め要員の確保が必要。
・このため、地域に介護分野で短期間・短時間で勤務することが可能な人材のステーション(=介護職員子育て応援人材ステーション)をつくり、子育てをしながら働き続けようとする介護職員の代替要員を介護施設・事業所等のニーズに応じてマッチングを行う。

●8)介護職員に対する育児支援(ベビーシッター派遣等)
・介護従事者は残業や夜勤等が多く、共働きや子育てとの両立に苦慮していることが理由で退職する事例が
多い実態を踏まえ、ベビーシッターをはじめとする児童の預かりサービスの利用を促進して負担軽減を図ることにより、仕事と子育ての両立支援による離職防止、就労の継続、待遇改善等を推進する。
・介護事業所(特別養護老人ホーム、訪問介護事業所、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所等)に勤務する子育て中の介護職員が、ベビーシッターの派遣などの育児支援サービスを利用する場合に、当該事業所がその費用の一部を負担する際の補助を行う。

●9)働きながら介護福祉士取得を目指す介護人材への実務者研修受講支援
・介護現場で働く介護人材のキャリアアップを推進するため、平成28年度より介護福祉士国家試験の受験要件となる実務者研修に係る返還免除付き学費貸付を実施(上限20万円。2年間介護職員として継続従事すれば返済免除)
・実務者研修受講時の代替職員の雇い上げ経費についてその全部又は一部を補助(地域医療介護総合確保基金)。

●10)職場定着支援助成金
(介護労働者雇用管理制度助成(最大200万))


・賃金制度を導入(賃金テーブルの設定等)した場合、50万円を助成。
・計画期間終了から1年経過後の離職率低下に係る目標を達成できた場合、
上記助成に加え、60万円を助成。また、計画期間終了3年経過後に離職率
が上昇しなかった場合、さらに90万円を助成。


今後、地域内で益々獲得競争が激化する可能性が高い「人材確保」。上記施策はその中でも重要な「ワークライフバランス(=働きやすさ)」に大きな影響を及ぼす内容です。経営者・幹部の皆様は職員視点に立ち、これら施策の有効活用を前向きに検討しながら、「働きやすい職場」づくりを是非、実行していただきたく思います。他方、人が組織に定着していく理由は、「働きやすさ」だけでは決してない、という視点も重要です。「働きやすさ」と共に、否、場合によってはそれ以上に重要になってくるかもしれないものが「働き甲斐」です。「働きやすさ」と「働き甲斐」の2つをキーワードに、自社の人材戦略を点検してみることを是非、おススメしたいと思います










































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