育児休業を連続して取得した際の社会保険料の免除
このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。
総務部長
当社も男性従業員から育児休業の取得の申出がありました。来月1日から25 日間の出生時育児休業(産後パパ育休)を取得する予定です。その従業員から、社会保険料の免除について問い合わせがあったのですが、当社では産後パパ育休中に就業する制度はないため、来月分の月額保険料が免除になるということでよいですか。
社労士 はい、ご認識のとおりです。
総務部長 実は、この従業員の奥様の体調がよくないという報告を受けていて、産後パパ育休に引き続き育児休業を取得することになるかもしれません。その場合、社会保険料の免除はどのように考えればよいのでしょうか。
社労士 育児休業中の社会保険料の免除では、産後パパ育休と子どもが1 歳になるまでの育児休業(以下、「1 歳までの育児休業」という)の区別はされていません。両方とも「育児休業等」として扱われています。
総務部長 なるほど、社会保険料の免除に係る手続きをしようとしたとき、産後パパ育休専用の様式がなかったのはその理由からなのですね。
社労士 はい。そして、産後パパ育休から連続して1 歳までの育児休業を取得したときは、産後パパ育休の初日から、1 歳までの育児休業の終了日までを1 つの育児休業としてみなすことになっています。
総務部長 なるほど。1 歳までの育児休業をいつまで取得するか、現段階ではわかりませんが、終了日が再来月以降になるかもしれません。そのようなときは、どの期間について社会保険料の免除の対象となるかを確認しないといけないですね。
社労士 はい、そうですね。産後パパ育休は25 日間とのことでしたが、1 歳までの育児休業を含めると1ヶ月超の期間となり、場合によっては賞与に係る社会保険料も免除の対象になるかもしれませんね。
総務部長 確かにそうですね。業務の調整も必要になりますので、一度、本人にどのようになりそうか、予定を聞いてみることにします。
社労士 正式な申出前に調整をしておくのは重要なことですね。何かあればご相談ください。
ONE POINT
①健康保険・厚生年金保険では、産後パパ育休も含め「育児休業等」として扱われる。
②2つの育児休業を連続して取得するとき、社会保険料の免除では1つの育児休業として取り扱われる。
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