年金事務所が実施する社会保険の調査

Q

年金事務所から「健康保険及び厚生年金保険被保険者の資格及び報酬等の調査の実施について」という書面が施設に届きました。その書面に提出書類として記載されていた賃金台帳や出勤簿などを準備しているところですが、これは具体的にどのようなことが調査されるのでしょうか?

A

今回の調査では、提出書類を元に、施設で健康保険・厚生年金保険の資格取得要件を満たしている職員の資格取得や退職者の資格喪失の届出漏れがないか、賞与を支払ったにもかかわらず賞与支払届の届出漏れがないか、また、報酬に含めるべき給与(手当)に誤りがないかなど、総合的な確認が行われます。

詳細解説

1.健康保険・厚生年金保険の調査

今回の調査は、健康保険・厚生年金保険の適用事業所に対して実施される法令に基づく調査の一つです。この調査では、主に、施設における被保険者の資格や報酬について、適正な届出が行われているか否かの確認、被保険者の加入や賞与支払に関する届出の未提出、報酬月額の届出記載誤りなど、届出内容に漏れや誤りがないかの確認が行われます。

2.調査の方法と指導

調査は、準備した施設内書類等を年金事務所に届出している内容と照合し、事実確認を行っていきます。例えば、資格取得に関しては、以下の項目を中心に調査が進められます。
● 提出した賃金台帳や出勤簿、労働条件通知書などを元に、資格取得日と雇入れ日に相違がないか
● 社会保険の加入要件を満たしているにもかかわらず、資格取得の届出が漏れていないか
● 報酬月額に含めるべき給与(手当)が含まれているか
調査により、万が一、届出の漏れや内容の誤りが明らかになった場合は、最大2 年の範囲内で遡って適正な届出を行わなければならないこともあります。
遡って適正な届出を行ったことにより、保険料の徴収も遡って行うことが必要となった場合、施設がその保険料を負担することはもちろん、職員からも保険料の徴収を行うことになります。
このとき、遡った期間分の保険料は、原則、一括で納付しなければなりません。職員にも一度に多額の負担を強いることとなります。そのような事態に陥ることがないよう、日頃から社会保険の適正な手続きを行うようにしましょう。

 

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