傷病手当金受給等の社会保険分野で活用される公金受取口座
2022 年8 月末時点で、マイナンバーカードの人口に対する交付率が47.4%になりました。政府の目標である2022 年度末にほぼ全国民に行き渡らせるという目標数値にはまだまだ遠い状況があるものの、マイナンバーカードの新規取得等でマイナポイントを付与する仕組みも導入されており、交付率が上昇している状況にあります。そこで、政府がマイナンバーカードの導入を進める
目的の1つである公金受取口座の活用について確認します。
1. 公金受取口座
マイナポイント第2 弾では、マイナンバーカードの登録の他、健康保険証としての利用申込み及び公金受取口座の登録で各々7,500 円分のポイントが付与されています。
公金受取口座の登録とは、給付金等を受け取るための預金口座や貯金口座を「公金受取口座」として、国民1 人につき1 口座あらかじめデジタル庁に登録するものです。登録することにより、年金や児童手当等の国からの給付金の受取口座として指定することが可能になり、給付金の申請の際に、口座情報の記入や通帳の写し等の提出を省略でき、結果として書類の確認の手間が省けることから、緊急時の給付金等が迅速に給付されることになります。
公金受取口座はあくまでも給付金の受取のための口座であり、国が預貯金残高を把握したり、税金を引き落としたりすることに用いられるものではありません。
2. 社会保険分野での活用
公金には様々ありますが、例えば健康保険の傷病手当金や出産手当金、雇用保険の基本手当や育児休業給付金等(以下、まとめて「手当金等」という)、会社が携わる社会保険分野も多くあり、2022 年10 月以降、手当金等の申請時に、従業員が公金受取口座を利用することの意思を示す欄が順次、設けられます。
公金受取口座の指定は、あくまでも手当金等の振込口座として指定できるというものであり、公金受取口座を登録していなくても、従来通り、振込を希望する口座を従業員が指定し受け取れることになっています。
なお、公金受取口座の利用意思を示す欄については、手当金等の様式ごとで異なっており、雇用保険においては、別途「払渡金融機関指定届」にて届出することになっています。手当金等の請求時には各々の様式や記載方法を確認するようにしましょう。
公金受取口座を登録し、活用することにより、記入や確認の手間が削減でき、また、記載もれや記載誤りも減ることになり、迅速な対応が期待されます。10 月以降に手当金等を申請する従業員
を中心に、公金受取口座やその利便性を伝えて活用を進めてもよいでしょう。
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