法令を上回る制度の導入も多くある介護休業制度

介護離職を防ぐために、国は仕事と介護の両立にあたっての支援策を講じています。今回は、厚生労働省の委託事業「令和3年度仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(以下、「報告書」という)から、介護休業の利用状況をみておきましょう。

1. 介護をする従業員の有無

正規労働者(正社員)のうち、介護をしている従業員の有無をみると、全体で「いる」が35.2%、「いない」が37.6%、「わからない」が27.0%となっており、3 社に1 社の割合で介護をしている正社員がいるという状況になっています。

2. 介護休業の取得可能期間

育児・介護休業法における介護休業の取得可能期間は、対象となる家族(対象家族)1人につき通算して93 日までとなっています。報告書から介護休業の運用実態をみてみると、全体では、法令の「通算して93 日まで」が85.2%でもっとも割合が高いものの、労働者1,001人以上規模では、「1年」が33.0%となっており、法令を上回るより手厚い制度を設けている企業が一定数あることが分かります(下表参照)。

 

3. 対象家族の範囲

育児・介護休業法では対象家族の範囲が決められていますが、その範囲を超えた家族を介護休業の対象家族としている企業もあります。全体では「配偶者の祖父母」が7.7%、「配偶者の兄弟・姉妹」が3.4%、「従業員のおじ・おば」が1.4%などとなっています。
育児・介護休業規程で、「その他会社が認める者」と規定することが多くありますが、この「会社が認める者」の中には、状況に応じて配偶者の祖父母や配偶者の兄弟・姉妹等を含めて判断していることになるでしょう。

 

介護休業は育児休業制度と比較して、従業員への制度の内容浸透が十分でない可能性があります。従業員が家族の介護の問題を1人で抱え込まないように、厚生労働省のホームページにある両立支援ガイドなどのツールを活用しながら、従業員に情報提供をしていきましょう。

 

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