医療機関 年度内に取り組むサイバーセキュリティ対策
医療機関等を狙うサイバー攻撃が増加し、手口も多様化・巧妙化しています。オンライン資格確認や電子処方箋の導入も加わり、より高いレベルのセキュリティ対策が求められる中、厚生労働省はガイドライン※1を改訂しました。
チェックリストの作成が必須
ガイドラインの記載事項のうち、何を優先して取り組むべきかは、チェックリストで把握できます。立入検査時にはこのチェックリストの全項目について、日付(確認日と目標日)や回答等が記入されているかの確認が行われますので、対策が必要です。
同チェックリストは、外部のシステム事業者の利用を想定した2部構成(医療機関用と事業者用)です。それぞれ2023年度用と2024年度用があり、進捗の目安にもなります。医療機関用では、2023年度中に次の事項のすべてについて、対応することを目指します。
2023 年度のチェック項目 医療機関版
□ 医療情報システム安全管理者の設置
□ サーバ、端末 PC、ネットワーク機器の台帳管理
□ リモートメンテナンス(保守)を利用した機器の有無の確認
□ システム事業者に対し、医療情報セキュリティ開示書の提出要請
□利用者の職種・担当業務別の情報区分ごとのアクセス利用権限設定
□不要なアカウントの削除(退職者や使用していないアカウント等)
□アクセスログ管理
□セキュリティパッチ(最新ファームウェアや更新プログラム)の適用
□接続元制限の実施
□インシデント発生時の連絡体制図の策定
さらに2024年度は以下が追加されます。
2024年度の追加チェック項目 医療機関版
□バックグラウンドで動作する不要なソフトウェアやサービスの停止
□インシデント発生時に診療を継続するための備え(必要な情報の検討、データやシステムのバックアップ、復旧手順の確認)
□サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)の策定
専門的な知識や経験が必要となる分野です。外部のシステム事業者に相談しながら、早めに対策されることをお勧めします。
※1 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版(令和 5 年 5 月)」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html